春遠からじ

先日、黄梅をみたばかりなのに、今日(2.15)奈良県北葛城郡広陵町にある長龍酒造を訪ねた時に、桜を見ることができた。
冬から早春にかけて咲く啓翁桜(けいおうざくら)。

この桜の来歴ははっきりしていているのに命名の過程がはっきりしない。
昭和5年に久留米市在住の良永敬太郎さんが、支那桜桃(しなおうとう)と彼岸桜を交配させて作った。だから当初は敬太郎さんの一字をとって「敬翁桜」と言ったものが、いつの間にか「啓翁桜」と言われるケースがでてきた。また、戦後には「岳南桜」、「東海桜」と言っても売り出された。で、今でも混乱しているようだ。この話もあと何百年もすれば分からなくなり、なぜか〇〇という名前で呼ばれていることだろう。言葉はやはり生き物だ。

この桜には幹はなく枝が何本もでて一つの株を作っている。
しかし、可憐でさわやかな花である。春が待ち遠しい。