距離感

スペイン語で何かを依頼する時、丁寧な言葉がある。
Me gustaría que viniera conmigo.
直訳すれば
「私と一緒に来てくれたら、私は好きになるかも知れません。」
で意味は、
「私についてきて。」

usted と tú も、二人称に対する丁寧語だよね。

じゃ、こんな言葉の使い分けや、
なぜこんな言葉が生まれたのか気になっていた。
上下関係の言葉ではないかと思っていた。
スペイン語の語源となっているラテン語ローマ帝国公用語だから、征服者と非征服者との間での階級的な意味合いで使われていたのでは、などと妄想していた。例えば征服されたマヤ人たちがスペイン人に言う時はusted で、マヤ人・スペイン人同士はtúを使うと。
また、目上、目下という関係で丁寧語を使うのではと。(日本はそうだよね)

が、違うらしい。
距離感だと言うのだ。
どれだけの距離感を持って話をするかで、usted と tú
を使い分けるのだそうだ。

usted を使って初対面で話をして、互いの距離感(親しみ等)が近づくとtúに変わっていくのだ。
ただ、最近の若い人たち同士の間では、いきなりtúで初めるケースが増えているそうだ。

例えばお母さんが子供を叱る時、普段は勿論túなんだが、急にustedを使ったりする。これは子供との距離を離してあらたまって(堅苦しく)叱る事で強いメッセージを送ったりする。

親しくなってきていると相手が思っているのにustedを使うと、なんだかみずくさい・よそよそしい奴と思われるし、逆は馴れ馴れしい・不躾な奴と思われる。
しかし、実際は両者の阿吽の呼吸で、túに変わっていくそうだ。

だから丁寧な言葉を使っても、自分を卑下しているとかはないので堂々と使いましょう。