何かを背負って歩いている

雨の日の移動はつらい。
見渡す限り何もないので、雨を避けて休憩できるような場所がない。
背負っているリュックが重い。
まぁ、しかしこんなことは人生においてもあるものだ。
みんな何かを背負って歩いている。
時と場合によっては背負っているものを降ろすことができずに踏ん張るしかない。
ある時は、背負っているものを降ろして、ゆっくり。

下から大きな悲鳴が聞こえた。赤いリュックの子らしい。
転けたのか、怪我でもしたのか・・・。
しかし、その後何ごともなかったように歩き出す。
はて・・・?
そこへ行ってみて分かった。
雨に濡れた道は、まるで粘土のようになっていて、歩くたびに靴にまとわりつく。
すぐに靴が重くなり、おまけに滑りやすくなる。
悲鳴の正体はこれだと分かったが、どうにもできない。
ゆっくりゆっくりスリップしないように歩く。